【M8ソフテイル編】ハーレーのオイル交換
オイル交換はセルフメンテナンスの入門編
オイルは、人間の体に例えると「血液」のようなもので、エンジン(心臓)を守る重要な役割を果たします。
放っておくとパワーダウンや燃費の低下など、愛車のコンディションが悪化してしまうため、定期的なメンテナンスが欠かせません。
今回は【ハーレーダビッドソン 2018年以降ソフテイル(ミルウォーキーエイトエンジン)】の
・オイルの交換時期
・必要なオイル量
・作業に必要な工具
・ドレンボルトの位置
について解説します。
愛車を長く快適に乗り続けるために、できるところは自分でメンテナンスしてみませんか?
エンジンオイル交換時期の目安って?
交換時期の目安は、おおむね以下の3通りです。
- 新車時から走行1,000km
- 走行3,000kmごと
- 半年に1回
前回オイル交換をしてから全く乗っていなくても、半年に1回は交換した方がいいの?
答えは「YES」です!
四季の湿度や気温といった環境の変化でも、オイルは劣化します。
劣化したオイルで乗り続けるとエンジン内部にトラブルが生じる可能性が高まるので、乗っていなくても定期的な交換が必要です。
必要なオイル量は?
日本製オートバイの多くは、エンジンオイルがミッションの潤滑も兼ねています。
しかし、ハーレーでは「エンジン」に加え「プライマリー」と「ミッション」それぞれに専用のオイルが必要です。
M8ソフテイルの場合、エンジンオイル・ミッションオイル・プライマリーオイルの3種類を使用します。
ハーレー用オイルのパッケージには、アメリカで一般的に使われるクォート(quart, qt)やガロン(gallon, gal)という単位で表記されていることがほとんどです。
1クォートは約0.95リットル、1ガロン(4クォート)は約3.8リットルです。
エンジンオイル
エンジンの血液となるエンジンオイルは、オイルフィルターを交換するかどうかで必要なオイル量が変わります。
プライマリーオイル
ハーレーのエンジンからの動力をミッションに伝える「プライマリーチェーン」と呼ばれる部品に潤滑を与えるためのオイルです。
- 必要量は1~1.2qt(約0.95~1.1L)※1クォートボトル×1本です。
ミッションオイル
エンジン内部の「ミッション(ギア)」表面に潤滑を与え、ギア同士が噛み合うことによる異音や摩耗を防ぐためのオイルです。
- 必要量は0.9qt(約0.8L)※1クォートボトル×1本です。
オイルフィルターとプライマリーオイル、ミッションオイルの交換サイクルは、エンジンオイル交換2回につき1回を目安とするのが一般的です。
交換作業時に用意するものは?
インチ工具
ハーレーはごく一部を除く車両全てに、ミリサイズではなくインチサイズの工具が採用されています。
作業箇所ごとに必要な工具を紹介します。
最近のハーレーの新車は車載工具が付属していないので、ハーレー用のインチ工具セットを用意しておくと、いざというときに心強いですよ。
- ドレンボルト(エンジン・プライマリー・ミッション共通)
- 5/8インチソケットレンチ
- プライマリーオイル交換
- ダービーカバーの脱着に使用する工具
- 18年ソフテイル → T27 トルクスレンチ
- 19年以降ソフテイル → T25 トルクスレンチ
- ミッションオイル交換
- トランスミッションフィラープラグ → 3/8ヘックスレンチ
- オイルフィルター交換
- ハーレー用オイルフィルターレンチ
- 3/8インチ ラチェット
ダービーカバーの脱着に使用するトルクスレンチは、年式でサイズが異なるので注意してください。
Oリング・ガスケット類
エンジン・プライマリー・ミッション(ギア)の各ドレンボルトのOリングは、オイル交換ごとに新品に替えましょう。
ダービーカバー付近にオイルのにじみが見られる場合は、プライマリーオイル交換時にダービーカバーガスケットの交換を推奨します。
廃油処理パックとオイルドレンパン
廃油処理パックは、車体から抜いたオイルを受け止めて、そのまま可燃ごみとして処理が出来るものが便利です。
ローダウンカスタムなどで最低地上高が低くなっているハーレーには、こちらのオイルドレンパンも必需品です。
ジャッキアップ不要でオイル交換作業ができ、車両から排出される全てのオイルを回収できる便利アイテムです。
その他オイル交換の便利グッズ
車体やガレージの床を汚さずに効率よく交換作業を行えるオイルファンネル(じょうご)
オイルフィルターを取り外すときに、オイルがこぼれるのを防ぐオイルキャッチャー
オイルはどこから抜く?
ドレンボルトの位置は以下の通りです。
エンジンオイル
- 車体左側エンジン後部
プライマリーオイル
- プライマリーカバー下部
ミッションオイル
- 車体右側ミッション下部
3か所それぞれからオイルが抜けますので、廃油処理パックを使用する場合は【2箱(※5L用の場合)】必要になります。
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