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ベイサイドライフ
2019.10.2
Challenge to Salt flats.ボンネビルへの挑戦。
その他
8月末にボンネビル・ソルトフラッツで開催されたランドスピードレースBonneville Motorcycle Speed Trials 2019(BMST)。昨年は、天候や塩の路面のコンディションが極端に良かった。一昨年の条件の悪さのせいかエントリーも少なく走るチャンスも多くなり例年に比べて新規レコードの数も多かった。今年は、BMSTの2週間前に開催されたBonneville Speed Weekが悪天候のために路面が安定せずレース期間の1週間のうち1日しか走ることが出来なかった。スピードウイーク後の2週間は好天が続きBMST2019は無事に開催された。しかし荒れた塩の路面は、完全に回復された訳ではなく参加者を苦しめることになった。
ハーレーで最高速に挑戦し続けるヒロ・コイソ氏は昨年のラブルを徹底的に対処しレースに挑んだ。ランドスピードレースは、最高速が過去のレコードを上回ると同じコースを逆から走り、往復の平均が正式なレコードになる。昨年はダウンランで時速262マイル(約420キロ)という驚異的なスピードを出したのだがタイヤが剥離した上にエンジンもトラブルが出てリターンの走行が出来なかったため正式な記録とはならなかった。今年は昨年と同じくJIMSの135ci(約2200cc)レーシングエンジンにT-Man Performanceのヘッドを装着。389HPから細部の仕様変更で435HPという高出力を出しターゲットスピードは270マイル(432キロ)。
走行初日はシェイクダウンで様子を見る。2日目早朝に2本目の走行。天気は問題なく追い風。全てが順調に行くはずだった。スタートから2マイルの加速区間で最高速へ、その先の1マイルが計測区間。この1マイルの平均スピードが記録になる。計測区間の出口近く、時速200マイルを超えるスピードで転倒したのだった。奇跡的に数カ所の骨折だけで命に別状は無く270マイルへの挑戦は、来年に持ち越されることになった。
パインバレーと同じくTuners Nationに所属するクスノキカスタムワークスの楠氏も2000ccプッシュロッドエンジンクラスに出場。ベースマシンは、2012年モデルのFXDWGワイドグライド。エンジンを117にスープアップし全てを自分で組み上げたランドスピードレーサーは極めて美しい仕上がりだった。初めてのレースながらコンスタントに記録を伸ばし、時速196.795マイル(約315キロ)でAMA、FIMのレコードを獲得した。
楠氏の挑戦に関しては、後日詳しい記事をアップします.
同じく初参戦となったのは元GPライダーの鶴田竜二氏。電動バイクでの世界記録を取るべく5年間チャレンジを続けたモビテックのマシンでの初エントリーとなった。
走行するごとに出てくるトラブルをチームワークと鶴田氏のライディングテクニックで解消しレコードに迫る。限界まで出力を出した7回目の走行で時速204.629マイル(329.319キロ)でFIM、AMAのレコードを獲得。
スーパーカブをベースに50cc+スーパーチャージャーと125cc+ターボの2台のランドスピードレーサーでエントリーした近兼拓史氏は昨年に続けて2度目の挑戦。日本の町工場の技術を結集して世界最速を目指す。ターゲットスピードの100マイルには届かなかったものの50ccが63.274マイル(101.2384キロ)、125ccで64.3マイル(102.88キロ)と2台共にレコードを獲得した。
条件が決して良いとは言えなかった今年のレースだが、日本からの挑戦者は総じて世界最速の称号を得ることができた。日本では開催されていないレースのために単なる直線レースという認識の人が多い。単純にアクセルを全開にするだけではなく、特化したマシンの製作から始まって知識や技術を駆使して挑戦するレースだ。コイソ氏は以前に「200マイルを超えると20マイルごとに想像もしなかったバイクの挙動やトラブルが出る」と語った。スピードレンジが上がれば上がるだけ困難になっていく。コースに出てしまえば対戦相手はおらず自分との戦いとなる。そして天候に左右される自然相手のレースでもある。日本でもたくさんの人の目に触れて参加するライダーやチームの「限界へのチャレンジ」という認識に変わっていくことだろう。 世界最速のハーレーと言えばヒロ小磯。 彼が監修するTunersNation仕込みのインジェクションチューニングと言えば
パインバレーチューニング
ヒロ小磯が開発した排気効率が格段にアップするヘッダーパイプ HIRO KOISO RACINGの「
ステルスヘッダーパイプ
」
ヒロ小磯のランドスピードレーサーにも使用している
ナノセラミックオイルトリートメント「RAN-UP」
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