伝説の地、本牧小港。 ステーキハウス”MO-MO-(モーモー)”

1945(昭和20)年から1982(昭和57)年にかけて、本牧が米軍に接収されていた時代、本牧には米軍の人向けのお店がたくさんありました。
そしてそれらの店は米軍の人たちによってアメリカの文化が次々と持ち込まれ、他にはないアメリカの匂いがするお店になっていったのです。
そしてやがて接収地が返還され米軍住宅がなくなり(本牧まで走っていた市電が廃止になった影響もあり)、栄えていたお店も徐々に減っていきました。
その頃、ちょうど接収地と隣接していた地域、本牧小港に「リキシャルーム」というレストランバーがありました。
いかにもヨコハマらしい青いネオンと青い照明の薄暗いこの店は独特の雰囲気を持っていて、本牧を語る上で欠かせないほど有名な、そして伝説的な存在なのです。 そのリキシャルームがあった場所には現在、マンションが建っているのですが、そのマンションの半地下にこの5月、ステーキハウスがオープンしました。

そのお店はステーキハウスMO-MO-(モーモー)さん。長野県から進出してきたのですが、オーナーさんは横浜出身、この場所がリキシャルームの跡地という事を知っていてここに出店されたようです。 かつて「Ricksha Room」の青いネオンがあった場所に「MO-MO-」の看板。 マンション横の階段を降りるとテラスの脇がお店の入り口です。
リキシャルーム閉店後、しばらくはオーナーが代わって違う店名で営業されていましたが、それもついに閉店。
そしてこのMO-MO-さんがオープンされたという経緯です。


お店の造りは、リフォームされているようですがテラスもあり、基本的には前のお店の雰囲気をそのまま継承しているようです。 店内はテラス側から入る自然光を生かした照明の落ち着いて食事ができる空間。
この日はお昼時に訪問したのでランチメニューからいただくことにしました。 その日のおすすめメニューもたくさんあって、スタッフの方が丁寧に説明をしてくれたのですが、初回の訪問はやっぱりステーキが食べたい!というわけで「ランチステーキ」と「チキンサルサ」を注文。
鉄板に乗せられた、見るからにおいしそうなステーキ。 1080円(サラダとパン付)とリーズナブルなだけに、量はやや抑えめ。 それでもしっかりと歯ごたえがありながら柔らかくてとてもジューシー。
ステーキには3種類のソースがつきます。 おろしソース、にんにく醤油、たまねぎソース。(正確には覚えていませんが内容は合っています^^;)
そしてもうひとつオーダーしたのが「チキンサルサ」。 このサルサソースがウマいです。ピリッと辛いのですが、上品な辛さという感じ。 そしてチキンは肉厚でジューシー。 上に乗せられているチーズもくどくなく、ちょうど良い風味。



アンティーク調の家具や数多くのワインが置かれた落ち着いた店内と柔らかい明かりの中でいただく上質のステーキ。 半地下というのも絶妙に外との距離感が感じられてイイ感じ。 リキシャルームとはまた別に「MO-MO-」さんの伝説がここで生まれていくといいですね。 並びにあった「アロハカフェ」が先日閉店、建物は取り壊されるそうです。 また復活する可能性もあるそうなので楽しみです。 かつての「本牧の文化」は時とともに消えかけてきていますが、こういう新しいお店が元気に新たな文化を作っていってほしいな、とも思います。
お店メモ(2014年6月現在) ・店名 ステーキハウス MOーMOー 横浜本牧店 ・所在地 神奈川県横浜市中区小港町3-170-2 グランテム本牧 ・定休日 月曜日 ・駐車場 なし
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