【M8の弱点改善】クラッチを弱めず軽くする方法。ミルウォーキー8ハーレー必須
現在パインバレー名古屋の矢野です!

今回はミルウォーキー8のクラッチを犠牲にせず軽くする方法をご紹介します。
クラッチを軽くするパーツや方法は沢山ありますが、
組み合わせや仕様を間違うとミッションやクラッチなど他のパーツにしわ寄せが来ます。
騙し騙し軽くするのではなく、現状の課題や対策を理解して方法を選びましょう!
以下のブログも是非参考にご覧ください↓
ヤノブログ
クラッチが重くなった2021年以降のミルウォーキー8モデル
原因は以下のパーツです。
3つの溝を3つのボールが移動することでプッシュロッドを
押してクラッチを切り離し、動力を切ります。

この溝の角度が2021年以降から急になり、結果クラッチが重くなりました。
M8エンジン初期モデルはクラッチが軽くなったが、2021年以降は
からツインカム時代の重い仕様に戻る結果に。
ハーレーダビッドソンが意図的にクラッチの切れを良くするために重くしたと思われます。
という事で今回のブログでは課題を対策をしつつ、
クラッチを弱めずに更に軽くする方法をご紹介します。
目次
・ミルウォーキー8のクラッチをVPクラッチ等で弱めるデメリット
手軽にクラッチを軽くする事が出来るので人気なVPクラッチは仕様によっては注意です。
VPクラッチは低回転域のクラッチ圧力を弱めて(軽く)、
高回転では強く(重く)なる画期的な商品ですが、
ハーレーが確保したクラッチ板や圧力のマージン分を削って軽くすることになります。
マージンをクラッチの消耗やトルクの増加で超えるとクラッチが滑ります。
ミルウォーキー8では定番となったカム交換をした車両で
VPクラッチで低回転域の圧力を弱めてしまうと、
1500回転~2500回転付近での加速時にクラッチ滑り(酷い場合は焼け)が起こりやすくなります。
・新品時は滑らなくても、消耗品であるクラッチ板の寿命は早くなり、滑りやすくなります。
カム交換後は特にクラッチ圧力低下に頼らないクラッチ軽量化が重要になります。
カム交換やマフラーの特性によって要注意!
低回転域からトルクが一気に出るカム交換車両のグラフがこちら

1500回転付近(左)からフル加速し、5500回転(右)まで回したグラフです。
赤がM8の117ciモデルのグラフ(ジキル+パインバレー「中高速型カム」)
緑がM8の114ciモデルのグラフ(ジキル+パインバレー「中高速型カム」)
青がノーマルカム
1500回転域で117エンジンは18キロ近いトルク。
2500回転からは114.117共にトルクが一気に立ち上がり18キロ超えのトルクに
純正カムの最大トルク14.5キロと比較するとトルクの差は膨大です。
その為、クラッチ圧力低下に頼らないクラッチ軽量化が重要になります。
一杯一杯な仕事量の人に更に負担をかけて頑張ってもらうのではなく、
改善できる余地のある人にもっと頑張ってもらうイメージです (笑)
クラッチを弱めずに更に軽くする方法をご紹介します。
①クラッチの一本化。
以下のようにミルウォーキー8から分割型になったハーレーの
クラッチケーブル。

一本化の物に交換することで、ここのガタによるロスを減らしクラッチの切れを良くします。
遊び量が適切なクラッチケーブルを選びます。
②低フリクションなクラッチケーブルを使用。
更に低フリクションな高性能なクラッチケーブルへ交換する事で
摩擦低減で車両への負荷は0でクラッチが軽くなります。
クラッチケーブルが長い車両(長いハンドルの車両)や
ケーブルの取り回しが急な車両は摩擦差によって
特にクラッチの軽さに差が出ます。
③プレッシャープレートソリッドアダプターへ交換。
通常リテーニングリング(薄い鉄のリング)で
プッシュロッドからの圧力を保持している部分をアルミのブロックで受け止めます。

ロスを減らす(リングのたわみが無くなる)事でクラッチの切れが良くなります。
ケーブルモデル用と油圧クラッチモデル用があります。
④クラッチの切れを悪くして軽くする。
クラッチの無駄な切れの悪さを改善し、
キジマのライトクラッチ等でクラッチの切れを悪くして軽くします。

こちらのパーツでクラッチが軽くなりますが、
クラッチの圧力低下や滑りには影響しません。
油圧クラッチモデルは以下のパーツで軽量化します。
AIM製AIMライトフォーススレイブシリンダーです。

こちらも同様にクラッチの圧力低下や滑りには影響しません。
切れを悪くしすぎず、マージンを確保しつつ適切に
クラッチを軽くすることが出来ます。類似所品がありますが
AIM製品は内部処理やピストン径を丁度いい範囲で作られ、
特にオススメのシリンダーです。
注意ポイント
クラッチの切れを悪くしてクラッチを軽量化することで
クラッチ圧力や滑りに悪影響は出しません。
しかし、切れが悪くなり過ぎると「ギアが入りにくい」「ミッションへの負担」
等の不具合が起きます。対策は
クラッチレバーとグリップは適切なものを選ぶ。
レバーが手前に来るレバーやパーツ、太いグリップは要注意です。
スリムレバーになる事で握りやすくクラッチが軽く感じますが
近くなり過ぎない商品を選びましょう。

難しいことは考えたくない!という方はパインバレーにお任せください(^^)/
車両に合わせてクラッチの仕様を提案・整備させていただきます。
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それでは今日はこの辺で!!
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